<第4回>設計士夫婦の家づくり日記 「素材を決める~木材編~」

設計士が語る

みなさま、こんにちは。
住み香の設計担当、西口です。

私たちは夫婦ともに建築士で、住み香の家の設計を担当しています。

『建築士夫婦が提案する“暮らしが豊かになる間取り”』を日々インスタで投稿していますので、ぜひご覧ください^^

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この日記では私の自邸を建築する計画~完成まで追いかけています。

今回から「素材選び」について。

私たち夫婦は、家を建てるうえで何を大切にしているか?

大きさ、間取り、性能、動線、デザイン、色・・・
みなさんも何が大事なのか、考えたことはあるのではないでしょうか。

結論!どれも大切で妥協したくない!となります(笑)
私たちも同じです。

その中でも私たちは肌に触れる、視界に入り続ける、空間をつくってくれる「素材」にも重きを置いています。

選択の基準は「自然素材」かどうか。

私たちは、完成時が一番美しいわけではなく、住み込むほどに味わいの増す素材でつくりたいと考えています。

どんなものでも永く使い続けるには多少の手入れが必要です。だからこそ、選んだものに愛着が持てることや経年変化していく姿を美しいと思えるかどうかはとても大切なことです。

そこで重要なのはそれが「本物」であること。
自然素材ならではの多少のキズやクセでさえ、思わず愛おしく思えるような、私たち家族の心に優しさが宿るような空間をつくりたいと思っています。

そんな思いで素材選びをしていきますが、今回は「木」についてです。

現代は技術も進化し、木目調のものや、集成材といわれる木材を貼り合わせたものも多く出ていますし、住み香でも普段の家づくりで使用しています。
適切に使用してくことは非常に大切なことと考えています。

今回、私たちの家は一つの試みとして、使用する木材はすべて無垢材で建てることとしました。

私たちの住む郡上市。面積の約90%は森林という全国有数の森林都市です。
主な樹種は、スギとヒノキ
奇しくも、家づくりに多く使用する樹種ですね。

そんな郡上市の木を使用して、郡上市内に家を建てたいという気持ちで木材を選びました。
郡上市内の木であることは間違いないですが、その中でも石徹白という地区の杉材を確認して選んでいます。

違いは木材に含まれる「油分」
市内の中でも雪深く、水分が豊富なエリアの杉です。水分が多いからこそ、木が生育をするために油分を多く含みます。
こちらの杉材を使用して、完成後も内部に使用する木材に塗装を施さず、本来の油分のみで使用していこうと考えています。

家を構成する構造に使用する材料は、すべて郡上市産材の無垢材で家を建てていきます!

「地産地消」と簡単にいいますが、実際に伐採しているところを見にいくこともしましたし、林業の方ともお話をしてきました。

現実を知り、素材を永く大切に扱う。
この考え方はどんなものにでも通ずるのではないかなと思います。

山から製材所へ運んでいただきました。
私の家を建てるために集められた木材。この時点で愛着が湧いてきます。

こちらを製材して材料の形にしていきます!

何度も向きを変えて切断を繰り返して、四角い形にしていきます。
これらを乾燥させて材料ができあがります。

住み香の家づくりでは、木材の乾燥にもこだわっております!
乾燥は木材にとって非常に大切な工程なのですが、現在主流とされている「高温乾燥」という乾燥方法。
木材を120°ほどの高温の炉に入れて熱風を当てて乾燥させることで、大量生産を可能にしている方法です。

私たちが行うのは「低温乾燥+天然乾燥」
こちらは40°~50°の乾燥機に入れて、3週間ほどかけてじっくり乾燥させる方法です。

なぜ、私たちの家や住み香の家は高温乾燥材を採用しないのか。

実は、高温乾燥を行うと木材の細胞が壊されてしまうからです…!
お色味や香り、木の本来持つ呼吸できるような力まで失われてしまいます。
「強度」といわれる数値で表せるものは変わりませんが、本質的に木材の持つ力は強いと私たちは考えます。

公園などに落ちている枯れた枝と、まだ枯れていない枝を想像してみるとわかりやすいかもしれません。
ポキっと折れるか、ぐにゃりと曲がるか。
木材が生きているということは、強度も香りも色味も保たれるということです。

今回の私たちの家が特別なのではなく、住み香の家づくりは全棟そんな木材を使用しています。

まだまだお伝えしたいことはあるのですが、今回はここまで💦
次回もまた読んでいただけると嬉しいです!