住宅の快適性を左右する「熱の伝わり方&伝わりやすさ」を知ろう!

家づくり講座

みなさま、こんにちは。
住み香の羽土です (^o^)/

みなさんは、熱がどのように伝わるか、考えたことはありますか?
普段は必要なくても、住まいの快適さを考える上では「熱がどのように伝わるか」を理解することはとても重要です。

なぜ断熱材が必要なのか? なぜ窓の性能が重要なのか?
こういったことが自然と理解できるようになりますので、家づくりを検討されている場合には、ぜひ基本的な知識を身につけていただければと思います^^

まず、熱の伝わり方には、「伝導」「対流」「放射」の3つがあります。

「伝導」とは、物と物が直接触れることで熱が伝わる現象のこと。
熱は必ず温度の高いところから低いところへ移動します。

冷たい手で温かいものに触れると温かく感じるのは、相手から熱が自分の手に移動してくるからです。逆に、冷たいものに触れると冷たく感じるのは、自分の手の熱が奪われるから。このように、私たちは日常生活の中で常に「伝導」を体験しています。

「対流」は、エアコンの風のように、気体や液体が移動することで熱が運ばれる現象です。直接触れていなくても、空気の流れによって暖かさや涼しさが伝わってきます。
室内で暖房をつけたとき、暖かい空気が部屋全体に広がっていくのも対流の働きです。

「放射」は、最もイメージしづらい熱の伝わり方かもしれません。
太陽を思い浮かべてみてください。太陽は地球から遠く離れているのに、私たちはポカポカと温かさを感じますね。

これは、高温の太陽から赤外線などが放射されることで熱が地球に届いているからです。
ストーブの前に手をかざしたとき、直接触れていないし風も感じないのに温かいと感じるのも、放射による熱の伝わり方です。

実は、住宅の中ではこれら3つの熱の伝わり方がすべて働いています。
そのため、快適な住環境をつくるには、それぞれの特性を理解することも大切です。

また、「熱の伝わりやすさ」も重要なポイント。
熱の伝わりやすさは「熱伝導率」という数値で表され、熱伝導率が大きいと熱が伝わりやすく、小さいと伝わりにくいということになります。

たとえば、アルミや鉄は熱伝導率が大きい素材。フライパンがすぐに熱くなるのはこのためです。一方で持ち手が熱くならないのは、樹脂や木材でコーティングされているから。熱を通しにくい素材で保護されているのです。

グラスウールやウレタンフォームなどは熱伝導率が非常に小さく、熱を通しにくい素材。
だからこそ、住宅の断熱材として機能します。

アルミサッシの断熱性が低いのも、熱伝導率によるものです。
アルミは熱伝導率が非常に大きいため、冬は室内の暖かい熱を外に逃し、夏は外の熱を室内に伝えてしまいます。結露が発生しやすいのも、この熱伝導率が関係しています。

実は、空気も熱を通しにくい素材のひとつ。
そのため、窓ガラスを二重にし、間に空気やアルゴンガスなどの層をつくることで熱が逃げにくくなるのです。これが、複層ガラスやペアガラスの仕組みです。

▼高性能な窓や断熱材について
https://takahashi-ks.com/blog/20705

ちなみに冬の朝、車のボンネットがカチカチに凍っている光景は郡上のような寒い地域ではお馴染みですが、これにも熱の伝わり方が関係しています。
必ず温度の高いところから低いところへと移動する熱の性質から、平均マイナス270度ともいわれる宇宙空間に向かってボンネットの熱がどんどん放出されていくからです。
特に、雲のない晴れた日の夜は熱が逃げやすく、このような現象を「放射冷却」と呼びます。
「布団をかけていない状態」をイメージしていただくといいかもしれません。

実は、黒い屋根や外壁は太陽の熱を吸収しやすい反面、放出もしやすい特徴があるのだとか。つまり、夏は暑くなりやすく、冬は冷えやすいということです。
もし、「光熱費をほんの少しでも抑えたい!」とお考えであれば、なるべく白に近い色を選ぶのもいいかと思いますが、こだわりすぎるのもおすすめできません。
知識として持っておきつつ、基本的には好きな色を選ぶのがいいかと思います^^

快適で省エネな住宅をつくるには、このような熱に関する知識をもとに、太陽の熱をいかに効率よく取り入れ、活用するかがポイント。
住み香の家づくりにおいても、もっとも大切にしていることのひとつです。

ぜひみなさまも、家づくりを検討される際は今回の記事を参考にしてみてくださいね!

▼住み香の家の性能についてはこちら
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